爆弾を抱えた母

毎月来るのかな。エアコンメンテはベテランさんと若造のペアで来て作業をします。

このベテランさんはもうウチに何度も来ているひとなので、家に入るときにペアの若造に「ここのおうちはネコがいるから、道具を取るときとかはいちいちドアを閉めるように」と言ってくれて、気が利いています。マレー系だからかもしれない。マレー系はムスリムだと犬に触れないからネコ飼ってるのかも。それにしても毎回ちゃんと覚えてるなんて気が利くわーと思ってた。そこまではよかった。

マスターベッドルームに行く廊下でベテランさんが母に「ネコの具合はどうですか?」と爆弾を投下するのが聞こえました。ベテランさんは病気ばにーを見ているのです。やばいな、でも母さんエーゴわかんねえし…と思った次の瞬間、母が笑いながら小走りでティッシュを取りに戻ってきました。笑うか泣くかどっちかにして下さい。あーあ…という表情の俺に「うるさいわね!しょーがないじゃないのよ!」と逆ギレ。俺なんも言ってないー

ベテランさんは気の毒に、ものすごく悪いことをしたと思ったらしく、作業の1時間ずっと無言でした。エアコンメンテで何年も食ってるベテランさんでも、エアコンメンテでお客さん泣かせたのは初めての事だっただろー。悪いと思った母はテトラパックのスポーツ飲料とひよこビスケットをオミヤゲに持たせ、メンテ終了証明フォームのコメント欄に「ネコがいる事を覚えていてくれて、パートナーのひとにドアをちゃんと閉めるように言ってくれて、ベテランさんはさすがだなあと思いました」といいことを書き、でもベテランさんは日本語が読めないので苦情を書いたと思ったらどうしようと焦って署名の脇に苦し紛れのネコスタンプを押していました。

母の爆弾はいつ爆発するかわかりません。なのでわざと「ばにさんお疲れ様エステおごるよ」と言ったら思惑通りまんまと泣きました。そしてキレます。「あんたたち(俺&父)冷たいわよ!全然平気なのね!」とかなんとか。なので俺&父は口を揃えて「平気じゃないけど我々はペットに関する事実を受け止めるコンセプト自体がアナタとは違うのだ」と抗議。なんだそれ説明しろと言われたらうまく言えないけど俺&父の間では通じるマジ反論に母は「あらそうなの…?」と退き下がるのでした。弱ってるねママ。

エアコン屋のベテランさんを困らせた母の様子をFAXマンガ(ディフォルメ&コメディタッチ)にしてオバに送ったら「泣きました」と返事が。オバも向こう側の人間であったか…