[dogs]  親の心子知らず

りょーのお迎えに伺いました。

旅行中にりょーを預かってくれていたH嬢邸へ入るときに俺は、「きっとりょーちん、もう建物の外にあたしたちがいるってわかってるよ!はやくはやく!」とオットを急かしてエレベーターへもダッシュで入り、ボタン連打で再会の時を迎えたわけです。

したらこのイヌチクショウ、ドアを開けてもらって俺を見ても数秒俺らが誰だかわかんねえでやんの。

まあすぐに気がついてピョンコピョンコ跳ねて俺の腕を傷だらけにしましたけど、そんなピョンピョンジャンプなんかであの「誰…?」って顔したのをごまかすことはできません! H嬢の手前、顔で笑って心中大荒れの俺。ホームステイさせていただいていた間、Hご夫妻と楽しくやってくれていたのはたいへん結構なのだが、それがホームステイの最大の目標かつ目的だったのだが、それをアタマではわかっていても、りょーはほんとに誰でもいいんだね!ウチの子じゃなくてもいいんだね!とあとでネチネチ厭味が止まりませんでしたよ。りょーにしてみりゃ勝手に家を空けた俺にそんな厭味言われる筋合いはないわけだけど!

すぐそばに俺らがいるのに、1週間ぶりに会ったのに、ご夫婦の座ってるソファに一緒に座っちゃってさ!(←オマエの飼い主は誰だ) あたしの目の前で、H嬢の膝で甘えちゃってさ!(←俺のメンツはどうなる) ウチではベッド禁止なのに夜はご夫婦と一緒のベッドに寝ちゃってさ!(←遠慮しろ。我が家スピリットはどうした) ご主人に抱っこされちゃってさ!(←男嫌いじゃなかったのか) それになにその「前の家よりここのほうが楽しいし」みたいな顔!(←顔見りゃわかるんだよ!)

★ りょー、裏切りの数々 ★ (Photos by H嬢)

オットまで、「なんかここのおうちのほうが規則が緩くて(自由にさせてもらえて、の意)りょーにとっては楽しいみたい」だの「りょーはここのおうちの子でいるほうがシアワセみたい」だの言いやがって!このあと仕事が入ってなかったら5時間正座だっつの!!! こいつはホントにろくなことを言わない。旅行中も「りょーちゃん、もうキミのこと忘れてるかもねー」なんて言いやがって結果的にそれは予言であったわけだがあああ腹立たしい。立場をわきまえていただきたい。

心優しいH嬢は、「S(俺)ちゃんちってクルマはセダンタイプの黒っぽいクルマ?りょーちゃん、おさんぽのときそういうクルマを何度かじーっと見てたの」とナイスフォローをしてくださいました(そんなとこまで気を遣わせて申し訳ない)。ええ!宅のクルマ(社用車)は濃紺です! ちょっとうれしかった(オヤバカ?)。自家用車はちっこい白のRV系なのですが、最近は濃紺のセダンのほうでの移動が多かったので、りょーはそういうクルマのお迎えを待っていたのかもしれん。ウフ。(賢い犬は家のクルマでも飼い主以外の人間の運転では反応しないというがそれは忘れよう)

明るい人柄から社交的でおもてなし上手なH嬢宅には日ごろからご来客も多く、ホームステイ中はりょーちんもたくさんのひとに構ってもらえて、たくさん愉快なエピソードを伺いました。良かれと思ってサラミをほんのちょっとりょーに上げてしまったお客さんにご主人が苦言を呈したとか(いいひとや)、女性のお客さんにかわいいって言ってもらったとか、遊びにいらしたフレブル布丁ちゃんとお留守番したとか。…………なんかホントにオマエここんちの子でいたほうが楽しそうだよな。厭味じゃなく。反省もしたよ。俺ももっとりょーに変化のある生活をさせてやらにゃいかん。

こっちの都合で休日だというのに時間指定してお邪魔させていただいたのにお茶までごちそうになり、たのしい時間を過ごさせていただきました。こんなたのしいひとたちと、今月限りのお付き合いだなんて、ホントに残念で仕方がないよ…

オットは家に帰るなり午後の便で来台するインド人客戸を迎えに空港へ。ご苦労さんで。そのオットも車中、ニコニコしているりょーを見ながらしみじみ「Hさんたちはすごく愛心があるね。そんなひとたちが自分たちでは犬を飼っていないのはフシギなことだ。ああいうひとたちこそ犬を飼うべきだ」と言うので、「今回みたいにいつどこに転勤になるかわからないから、そうなったら動物がかわいそうだから飼わないんだよ。ホントにスキだから関らないという愛もある」と答えた。

Hさんのおうちは、いつか機が熟したときに運命の出会いが絶対ある。そんな風の便りを待ちたい。

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※ 業務連絡Hさん。モザイクは施しましたが写真掲載に不都合がありましたらご連絡ください。すぐに削除します。無断掲載すみません。