かわいそうなニャンニャン君

オットのバカが俺の留守中にニャンニャン君をいじめやがった。

帰宅したらニャンニャン君がニャンとも言わないからびっくりしてキッチンに飛び込むもニャンニャン君の姿がなく!キッチンから出て家のどこかに隠れているのかと思い、ニャンニャンくーん!と絶叫で探したら蚊の鳴くような声が、かすかに、電子レンジの裏から! なんでそんなところで、なんでそんなことに?!超混乱するもピンときたというか 「あいつしかいねえ」 と察した俺はオットの書斎へゴー!平静を装いつつ

「ただいまー。なんかニャンニャン君おびえてんだけどなんかあったー?」
「あー。んー。チョコレート食べようと思ってキッチンに入ったら、カウンターの上にネコがいたから、かわいいなあと思ってバアー!ってやったらパニクって逃げて電子レンジの裏に飛び込んだ

… こ の バ カ よ く も ぬ け ぬ け と …!
一瞬めまいを感じて意識が吹っ飛びそうになったけど(怒りでな!)そっから大説教、オットキョドり、許してもらおうと甘えて抱きつこうとするのを肩パンチ、余計なことばっかりしやがって!かわいそうにあんなにおびえさせて!やっと慣れてきたのにまたやりなおしだよ!全部おめーのせーだ死んで詫びろ!と罵倒し、いますぐ死ねと釘を刺してからニャンニャン君に詫びにキッチンへ戻り、ぢが出るかと思うほどキッチンの床に座り続けました。ニャンニャン君、しばらく出てこなかった。かわいそうにおびえきってた。人生の早い段階で、気を許してはいけない相手がいるということをトラウマティックな形で学ばされたつらい日曜日になってしまった。

オットは本当に、動物を知らないの。そういう生い立ちなんでそれは仕方がないと思う。なのに俺によく付き合ってくれてるとは思うけど、余計なことすんのだけは許せない。動物嫌いではないから動物を見ていればかわいいなあとも思うらしいし、一緒に暮らしてるんだから彼も動物とのかかわりを楽しみたくなるのはわかるけど、あいつの楽しいと思う行動派は動物にとって脅威でしかない。だからやめてくれと動物に詳しい嫁が口をすっぱくして言ってるのに聞かないのは彼個人の性格もさることながら中華民族特有の精神的な欠陥(有史以来慢性的に蔓延)ゆえなんだけどそれで動物に被害が及ぶのは俺の責任。そんな環境で動物を飼う俺が悪い。離婚しかねえじゃん。

ニャンニャン君が逃げ込みそうなところ(8センチ隙間があれば入るよ!)を掃除して回るのでキッチンの隅々がきれいです… だって逃げ込むと長いんだもん… せめて快適にすごしてほしいから…。目ぼしい暗がりにはダンボールでいちいち、逃げ込みボックスを作成&設置。これでニャンニャン君が汚れませんし冷えません。こんなことしかできない俺をゆるしてほしい。オットはもうキッチンに入れないから。

そんなつらいことがあったけど、ニャンニャン君は俺抱っこにもだいぶ慣れて、ひざに乗せると俺の胸にもたれて、顔を上げて あごを舐めたり、膝で寝転んだり、寝転んで お腹を見せたり、あまつさえ揉ませたり、手が空中モミモミするので手のひらをあてがうと手のひらをモミモミしてくれちゃうのでこちらといたしましてもつい指などで肉球はおろか指の股なんかもコチョコチョしちゃうんですけどそれでもうっとりしながらベロが出しっぱなしになっちゃったり、そのベロをつついて「ベロ出てまちゅよ」と教えて差し上げてもラリホーかかったようなお顔であたしを見つめているその表情はつい先週ネコ罠でとっ捕まえたニャンコとは思えない優雅さ&親密さやばいことこの上ありません。撫でて撫でて撫でて撫でて撫でまくっているので、毛皮がみるみるツルツルになっていくのも いとをかし…

そんな俺を、ゲートの向こうで湿った目で、りょーが見ています… たまに盛大にため息をついたりします。ネコアレルギーで洟を垂らしながら華麗にスルーしますけどね!