超カサノバ

ニャンニャン君、散歩に出たあたしとりょーの帰り道に待ち伏せしてて、ニャアー!って言いながらクルマの下から飛び出てりょーに体当たりして、りょーすげえビビってちょっと飛んでた。おまえそれでも犬か。


再会を喜んでいるようにしか見えないニャンニャン君、困惑するりょー、騒ぎを聞きつけて再会祭りに飛び入り参加する小花、知らん犬の参加を認めないニャンニャン君、小花に鉄拳制裁、戸惑う小花、どこから手を出したらいいかわからない俺… とりあえず小花はジャマ。

りょーのリードを首輪に挟んで引きずらないようにして放し、ニャンニャン君を強引に抱っこしました。抱っこしたことなかったんだけど家までケージ取りに戻るの面倒だったから。そしたらぐるぐる言っておとなしく抱っこされてくれました。俺の監視下を逃れるなり拾い食いをするりょーに蹴りを入れながら帰宅して、リビングに下ろすとニャンニャン君は やーやー言いながらまっすぐゴハンの場所へ。空腹を訴えるのがうるさいので食いたいだけ食えとほしがるままにあげたら、相当食べてから満足したのか床に寝転がり、やれやれと家事の続きをしたところすぐに「わーおん、わーおん!」と異常事態を告げる声を上げて俺もりょーもびっくり。ニャンニャン君は わーわー言いながらリビングへ数歩歩き、そこでうずくまって盛大にゲロを吐きました。納豆のパックにして5箱ぶんは吐いたでしょうか。りょーが食いにくるかと警戒してりょーを見ると、りょーは未知の事態に硬直して動けなくなっていました。おまえほんとに犬か。

ニャンニャン君はゲロを片付ける俺を、じっと見つめていました。その目は「すげえ!すげえ!」と輝いていました。なにがすごいのだろう。あっという間に汚物が消えたことかしら。もしかしたら人生初ゲロだったのかもしれませんな。ニャンニャン君のゲロ童貞、おばちゃんが奪っちゃった

ゲロを片付けたことで俺の株が上がったのでしょうか、ニャンニャン君は俺の行くところ行くところについてきて、オットが出張で不在だったので夜もキッチンに閉じ込めずに自由にさせていたところ、一緒のベッドで同じ枕でムリムリに寝たがるなど、超ラブラブ…。ベッドの下から俺を見るりょーの視線が痛い…。超ラブラブのまま眠り、無事に朝までいてくれました。閉じ込めなければ外に脱出したくならないらしい。ゲロ効果で超早く叩き起こされたけどな!!!

ニャンニャン君、すっごいおしゃべりなんです。ひとりで延々しゃべってるの。俺下僕体質だからいちいち「なあに?」「どうしたの?」と、オットには絶対かけないやさしい声で反応するんですが、見るとニャンニャン君はあさっての方向を見ながら寝そべっててあきらかにひとりごとなの!!! 意味わかんねえよ!!! それを延々!!! いつか室内生活に慣れたら、無口になるのかしら。これはストレスしゃべりかしら。あたしだけにじゃなく、りょーにも甘い声でしゃべりかけてて、うるさい。悪いけどうるさいよニャンニャン君。

ひざに乗ってきてモミモミしながら背伸びして頬擦りとか、テーブルの上から俺を見つめて首にしがみついてぐふぐふとか、必要以上のスキンシップも炸裂しております。自慢じゃないよ、度を越えていて理解不能なんだ。足元にもつれるように歩くのはもちろん、風呂に入るとドアの外でニャンニャンニャンニャン言うからドア開けると顔だけ覗かせてニャンニャンニャンニャンだし、意図が不明で、ほんとうにわからない。こんな子初めて。どう売り込めばいいのかわかりません。自分でも把握しきれてない子を、他人さまに売り込んでもいいものか、そこもよくわかんないし…

超ラブラブで意味不明で俺を振り回しりょーも困らせるニャンニャン君、若いのに超カサノバあ、カサノバっていいじゃん、名前カサノバにしよ。というわけでニャンニャン君改め、カサノバですよろしく。中文で書くと卡薩諾瓦。