赤子行動学

最近息子を運動クラスに通わせています。

今日のクラスではバランスボールのような軽くて大きなボールを使った運動をいろいろやりました。クラスでは毎回「え?そんなことウチの子にはムリ」なことを要求されて親は一瞬ひるむのですが、親が手を出してもいいし、コースアウトして別の遊びしちゃって怒られないし、かと思うとなんだかんだやれてるっぽくなったりならなかったり、予想できないのがおもしろい。(おもしろいがクラス時間中ずっと前かがみで子供の動きをサポートするので肉体的につらく終了時にはみんなそこはかとなくやつれてセクシーママさんに変貌しているのも見所)

ここの教室の先生たちは、お子らが指示と違うことしても「違うわよ、こうするのよ」的なことは一切言わないの。「そうなんだ、それやりたいんだね、そういうふうにできるんだね〜」って肯定して、軌道修正させたいときはたとえば「じゃあこのボールむこうに転がしてね〜」「そうだね〜上手だね〜じゃあ老師にどうぞしてね〜」とかって円満にうまいこと導いておさめる。毎日の育児に活かしたいものだと毎回感心する。訓練されたプロの技に、俺は運動クラスの授業内容よりもこういうのをいつも期待して行ってます。
クラスの後では老師がその回の授業内容のポイントを説明してくれて、質問とかに答えてくれるんだけど、今日は老師がY君のお母さんに「今日Y君すごかったですね!あんなに大きなボールを持ち運べるなんて、腕の筋力があるし、下半身も強い」と褒めたの。実際大きなボールを運んでいたのはY君だけで、男子はY君とむーだけで、他の女子はやってなかったのでさすがだなY君と思ってたの。でもお母さんは、みんながボールを転がしているときにY君がボールを持って歩いていたのが気になっていたので「はあ…そうですかね…」ってかんじだったの。先生がアレ?って顔をしたので俺が「老師、お母さんはY君がみんなと違うことをするのを気にしているようなんです」と口を出したの。そのとき先生がおもしろいこと言った。

「それはY君がボールを転がす以上のことができるからそうしたのです」

俺これは目からウロコでした!!! そうだよ!と思った。

だってさ親とか先生は「ふたり一組になってボールを相手に転がしてキャッチ&リターン」「腕の鍛錬」ってわかってやってるけどさ、子供はわけわかんなくてやらされてるわけじゃん、でもまあ単純作業だし、サポートすればできっかな?ってかんじでやらしてるだけで、親はやらせることに夢中で、子供は意味がわかってないということを、あたしら親は忘れがちっ!!! とそのときいまさらながら気がついた。たとえばY君にしてみたら今日の場面は

「ボールを?なに?あっちに移動させたいの?で、なんでちんたらボール転がしてんのあんたら?アホなの?俺は持ち運ぶけど?だってそのほうがはやいし」

ってかんじだったというわけ!!! あー目からウロコ!先生超いいこと言った!気づかせてくれたね!子供目線を!

そしてさらに先生は続けたの。

「みんなと違うことをしていると心配になるかもしれませんが、机に座ってやる作業ができるようなら心配いりません」

あっそうなんだ!へーそうなんだ!これは医者とか幼児教育やってるひとじゃないと言えないことだよね。ネットとかでいちいち探すのもめんどうだし自分の子に合ったケースと分析が必ず見つかるわけじゃないし。そういえばこの教室の開放時間でも、本当に問題のある子はスタッフがつきっきりで机に座らせて積み木とかさせてたわ。そしてそういう子はじっとしていられない次元がもう別世界なのだ。あれだな、心配が必要なケースは。すごいなあ謎がみるみる解けた!しかも超説得力あるし!

いやあよかったね!ほっとしたね!とY君のお母さんに言ったけどなんかあの場で俺だけだったあんなテンション高かったの。反省。

でもだってさ息子に奇行が多くなってきてるときだから、謎が解けるとほっとするしうれしいじゃない。「なんでこうなんだろう…」ってネガティブに捉えて悩みがちなことならなおさらだ。これからも解けろ!謎!