第一天

幼稚園初日の息子:

8:00 登園。

ノリノリで園の帽子までかぶって傘をさして家を出る。初日を知る近所のおばさんたちに「いいわね〜今日から上課ね。うちのお兄ちゃんたちもいま幼稚園行ってるわよ。ママが迎えに来るまでお友達と遊ぶのよ〜、好不好?」と言われ、うなずきながら「好不好」と繰り返す息子を目の当たりに、俺の心中に不安が暗雲のように垂れこめたのであった。

登園時間は7時半から8時半だけど全然人数居ない。8時半に上の階の教室へ行くまで、1階ホールで乗り系オモチャや絵本を見て遊べる。若くてキレイな格好のかわいいママが「うちの子寝ちゃってさ〜」と話しかけてきた。見ると保健室と書いてある小さい部屋のベッドで女の子がガン寝していた。余裕だなーと感心しつつ「ウチ第一天なんですよ…」と言うと「ウチは2日目〜。幼幼班なんだけど、昨日は楽しすぎて4時に迎えに来たとき帰りたくないって泣かれたのよ〜」と…。むーと同じ年なのになんつう剛の者なんだ。衝撃を受ける。

園長先生に「息子説明書」を渡す。昨夜書いた。オットに「その説明書はキミの動物が他人に世話になるときの恒例だね」と言われ、いままで何回説明書を書いたことか…人間の子供の説明書を書く日が来るとはなあ…と感慨深かった。まあ泊まりでもないしたいしたこと書いてないっつーかぶっちゃけ、りょーやノバのより短かいってどうなのよとアレだったけど。

8:30近くなると急に人数が増えだす。バス通園グループは地下の駐車場から上に上がってきていた。先生たちが園児をまとめてエレベーターに乗せて教室のある上の階に行くときが、母親とのお別れ時間。園長先生がむーと手をつなぎ「じゃあ園長先生と一緒にお教室へ行ってごはんを食べようね〜。ママはお昼にお迎えに来てくれるからね〜。ママにバイバイ言って〜」むー素直に「バイバーイ」。えっマジで?そんな簡単に?と思いつつ「バイバイ…」と返して去るふりをして柱の陰に隠れました。

あとで園長先生が戻ってきて、あたしを見ると「えっまだ居たの」っぽい顔をしてから「全然だいじょうぶでしたよ〜担任の先生に引き継ぎもしました」と。じゃあお昼にまた来ますと園をあとにしました。

こんな簡単に帰れるとは思いもしなかったよ…。たぶんあいつ、何が起きてるかよくわかってなかったんだろうけど…。

初登園は絶対泣くんだと思ってたんだけど、泣かない子もけっこー多いらしい。昨日スタートだった3人も泣いてたのは1人だけだったらしいし、近所の幼稚園兄弟も兄はピクリとも泣かなかったそうだ。実母によると俺も泣かなかったらしいし。いままでどこかに預けたことも皆無だからどうなることかと思ってたんで拍子抜け。幼稚園イコール母との別離と知った明日以降はどうなるかわかんないけどな。

12:30 帰宅。

迎えに行って受付前でワクワク待ってたらしばらくして出てきた息子はへの字口だった。涙をこらえながら俺の脚に顔を埋めるという、辛気くさい再会に失笑。

ずっと泣いてたにしては消耗してないなーと思ったら先生が「ずっとニコニコだったんですよ〜。お友達ともいっぱい遊べたし、お昼ごはんもちゃんと食べました。おうちに帰るよって言ったら泣き出したんです」と笑って教えてくれた。それまで母の不在などどこ吹く風で園児生活をエンジョイしていたらしい。楽しくやってたならいいけど…ちょっと複雑…。結局泣かなかったし。

その後も幼稚園初日の様子を聞き出すべく質問攻めにしたけど思い出を語りながら泣き出すでもなくごく普通〜〜〜で、初日を彩るために帰りにコンビニでヤクルト買ってやって(賄賂)、普通〜〜〜に帰宅して、普通〜〜〜トミカで遊んでた。さすがに疲れたらしくて珍しく自分から寝ると宣言して寝室へ。いま寝てる。

こんな盛り上がりに欠ける内容になるとはなあ。

まーなんにせよ、プロが見てくれるっていうのは、ほんとに安心だね!!! いままでほんの数えるほどオットにむーを託したことがありましたが、病気で死んでてそれどころじゃなかった回以外は、「心配してもムダだ、俺が死んだらどうせあいつがむーの面倒を見るのだ。死んでないだけましだ」と極端な例を出して自分を鼓舞したものです。それがどうだろうっ?!この安心感?!現に息子は楽しい4時間を過ごした模様。全然かわいそうじゃなかった。幼稚園万歳。