知りえぬ過去を知る男

朝になるとノバが寝室のドアの前でむーがドアを開けるのを待ってる。
今朝もむーがドアをあけてノバを入れて、布団の上でしばらくウダウダ遊んでたんだけど、そのときむーが「ノバちゃんはむーちゃんのネコよ〜」などと言い出したので「違うよママのネコだよ。ママがお外から持ってきたんだもん」と言ったところ(※ノバは散歩中のあたしとりょーの前に飛び出して呼び止めた地元産ネコ。ミツビシ同様里子に出すつもりで拉致した。出会いの様子は2008年に遡るよ)息子氏いきなりハキハキと

「そうよ〜ママがお外で見つけたのよ」
(見つけた?)見つけたってどこで?」
木の上よ〜ノバちゃん木の上にいたのよ」
「…木の上?ノバ木の上でなにしてたの」
ママどこ〜?ママどこ〜?って言ってたのよ
「…で、それから?」
「ママとおうちに帰ったのよ」
「…どうやって?」
「小白(※愛車)で〜」
「………なんでむーがそれ知ってんの?」
(やばいという顔で目を逸らし、おどけて)おっきいおにいちゃんだからあ〜☆♪」
「それずっと前のことでしょ。なんでむーが知ってんの」
(ヘラヘラしながらあたしの背中におんぶで飛びつき)おっきいおにいちゃんだからよ〜☆♪」
「どこで見てたんだよ」
「………(沈黙の間覗き見たら真剣な真顔だった)むーちゃんパパと遊んでたのよ…」
「ノバが木の上にいたときむーはまだ生まれてないでしょ」
「うまれてるのー!おおきいおにいちゃんよ」
(以下会話不能

気持ち悪いのは:ネコが木の上にいるところなどリアルで見たことがないはずであること、一度里子に出した家から逃げ出したノバがその家の裏の木の上にいたところをあたしが連れ戻したことをむーは知る由もないこと、ノバの出自を彼に語ったことがあるかもしれないがその場合ストーリーは『自宅近辺で拾った』であるはずなので、ノバが失踪して連れ戻した場所が自宅からクルマの距離であることも知る由がないこと、最近バス狂いなので交通手段といえばバスと答えるはずなのに自家用車が出てきたこと、問い詰めたらしらばっくれたこと、です。胎内記憶を聞き出したときも最終的にしらばっくれた。あのときと同じ顔だった。しまった、しゃべりすぎた、笑ってごまかせ、という顔。

小Yちゃんのお手伝いで台大医院いたとき、献血待ちの飼い主さんとRとでおしゃべりしてたんだけど、Rが以前ATスタッフだったとき、金持ちサポーターがわざわざ海外から呼んだ「犬の気持ちがわかるひと」のセッションに参加したんだって。そのセッションで「わかるひと」のガイドのもと、他人のペットの持ち物に触れただけでその動物の様子を感じたり映像が浮かんだりできたんだって。瞑想や訓練で素質のあるひとはその能力を伸ばすことが出来るらしい(ダメなひとはまったくダメらしい)。それ思い出した。※その「わかるひと」はあくまでも動物の助けとなるためにその能力を使うというスタンスで、その能力を悪用して金儲けをしたり医療行為や方針に口出しをしたりは禁じているらしい。

まあ好きで動物関係のアレに携わっていると直感がはたらいたりっていう偶然はわりとよくあることなんだけどね。