クロネコチン様晩年充実計画
クロネコチン様が朝からああだこうだうるさかった。今日はそれほど気温も低くないのになんだろうと思いつつ構っていたら観光客のような軽いノリで室内に入ってきた。りょーがしつこく嗅ぎ回って行く手を塞いでも、それをあたしが怒鳴りつけても、平然とウフンウフンしてる。ノバは実戦経験が無いし、クロネコチン様がノバを攻撃しないことは分かっていたし、もう痩せてヨロヨロだし、たいしたパンチも入るまいと踏んで好きにさせた。りょーはジャマくさいからリードつけて玄関に拘束。あたしが怒る→ノバも怒る→クロネコチン様がノバに威嚇されたと誤解するといけないので。
クロネコチン様はノバを気遣うように、背後から忍び寄るノバが自分のにおいを嗅ぎやすいようにするほど好意的だった。さすが年の功…。これはクロネコチン様、いよいよ引退表明か…と積年の野望が現実味を帯びてきたことを悟った俺は、鼻歌交じりにキャリアーをセット（ノバは見た瞬間ソファの下に逃げた）。煮干しを手にクロネコチン様をお誘いして捕まえ、獣医に電話して、今年の予防接種がまだだった（予定は２月）りょーもついでにゴー。なんという行き当たりばったり。目的は、
- FIV検査。前回クロネコチン様のFIV（猫エイズ）テストをしたのは2006年、結果はネガティブ。この７年でもしかしたらFIVもらってるかも。そしたらノバ（FIV持ち）と隔離しなくてオッケー。キャリアじゃなかったらどうするか相談。
- 血液検査。ノバといっしょに飼うなら他になんかうつる病気が無いかの検査は必須。高齢だし検査内容はフルコース盛り盛りで☆
- なんならクロネコチン様も予防接種。
「子々孫々祟ってやる」
結果、
- FIVは依然ネガティブ!!!
- ひどい貧血!!!
- 機械で測れないほど蛋白値が激悪!!!
- 炎症の反応もあってたぶん場所は腸!!!理由は不明!!!
- 予防接種なんか出来る状態ではなく!!!
- 体重はわずか２キロ!!!
医者と看護婦に「FIV陰性でがっかりする飼い主初めてです。みんないろんな事情がありますねー」と笑われ「（検査キットに）線１本引いてあげましょうかw」とまで言われた。いやいやもちろんあんな怖い病気じゃなくて嬉しいですけど…ノバは拾ってすぐに検査したときは陰性だったけど数年後再検査したら陽性になった経歴があるので、もしやと思っていた。クロネコチン様が外猫生活でもあのウィルスにやられてなくてほんとに良かったと思ってるよ… 思ってるんだけど… 同居が… 同居が非常に困難に…
同居させるなら食べもの・飲み水・トイレは完全分離でと言われた。別室隔離ではクロネコチン様は納得されないと思う。でかいケージ買ってぶっ込んでリビングに置くしか無いのか。でもそんな生活、クロネコチン様は喜ばないだろう。じゃあ外飼い続行ってことに…。ぶっちゃけ、もうクロネコチン様は先がないので猫エイズのノバと一緒にしちゃってオッケーじゃね？と見切り発車しちゃいたい俺がいる。ダメだよねー。逆にクロネコチン様がなんか持ってる場合、免疫不全のノバに伝染ったら即アウトという、そっちのリスクのほうが高いかも…。クロネコチン様は年齢や野性を考慮して、これ以上原因を追求するなどの積極的な治療をしないことにしたし（そう勧められたっていうか他に選択肢ある？）不調の原因を探る術はないので安全が保証できない。
とても珍しい３ショット
「蛋白値が高すぎて測れないんでもう一度やりますねー」と言われたときは「あ、機械の問題で？」と思わず聞き返してしまった。「違います規定値超えてて測れないんです。機械は正常ですw」また笑われた。驚きつつ「そ、それじゃあ予防接種は今日はムリですね」言ったら「今日はっていうか今後もムリですよ！病気のネコにワクチンなんか打てませんよ！」俺驚いて「ええっ、クロネコチン様は病気なんですか！」医者も目を剥いて「病気ですよ！こんな痩せこけてて、なんだと思ってたんですか」なにって言われても…ぐうの音も出ないのであった。やっと出た言葉が「年齢のせいだとばかり…」お、俺は悪い飼い主か？！おそらくは肝臓が悪くて、食べてるのに栄養が摂れておらず身になってないのはやばいとのこと。カロリー高めでと言われた。カロリー高めで蛋白質少なめでって…無塩バター的な？生クリームとか？メスだからか腎臓のほうは大丈夫だった。
思ったより弱っててびっくりしたっていうか、びっくりしてる自分が呑気すぎたことにまたびっくりっていうか、鉄の女だったクロネコチン様が貧血とか病気とか体重わずか２キロとか、２キロってあんた、台風来たら飛ぶぜ？ どーしたらいいのこれ。書いてるとこれいまにも死にそうなんだけど。本人は元気なんですけどね、ピョンピョン塀飛び越えて、防犯の鉄柵をはしご代わりにヒョイヒョイよじ登って。病院でも怒り狂って厳戒態勢でしたし。でも２キロってね笑 まあもともと小柄ではあるけれど。
いいかんじだったのに…
ああどうしたらいいんでしょう。
