四つ目犬とキツネ目とりょー

夕方の散歩に出かけたら、向こうのほうから四つ目犬が走ってきました。

おー四つ目じゃーんひさしぶりー。りょーは覚えていない様子。冷たい女だなオマエ。四つ目は以前より小奇麗になっており、首輪も新しくなっていて、狂犬病予防注射のタグがついていました。でも去年のだ。それホントに四つ目の?

四つ目を思い出したりょーは大喜びでじゃれまくり、ジャマくせえなあと思いつつ犬2匹連れて歩いていたらコンビニ前の横断歩道で四つ目がふと立ち止まり、そこでひとまずお別れ。あとで公園で遊ぼう、と帰りにまたコンビニに寄ると公園の入り口に寝そべる四つ目の姿が。そして

四つ目に寄り添うキツネ目の姿も。

あのヤロウ性懲りも無くまだこのへんウロついてやがんのか。四つ目はりょーに大喜びでまとわりつき、キツネ目はあたしの姿を見ても逃げようともせず、よくよく見たら四つ目はメスで、どうやら彼的にはウチのムスメよりも四つ目のほうが魅力的らしく、組んづほぐれつ無邪気に遊ぶ女子ふたりから離れようとせずに隙あらば四つ目に乗っかろうとするではないの!やめんかー!!!

思わず引き綱の余った部分でキツネ目を叩くと、キツネ目はあたしを見て「なんだよオバサン…」と、ホントにそうとしかアテレコできない目で俺を見るのでした!!! コノヤロウ…本気出すぞ小僧…。しかし明らかに四つ目狙いのキツネ目。四つ目はりょーより子供なので、キツネ目に乗っかられては「ガウワン!」とイヤがり、ああ本人ちゃんと意思表示してるからダイジョーブか、そもそも四つ目はウチの子じゃないし、とめんどくさくなったころ、四つ目を呼んでいるらしい少女(カワイイ)がいることに気付いた。

お嬢さんあの黒い犬はアナタの犬?と訊くと、「同学の犬」 ……そうですか。避妊手術はもうしてあるの?と訊くと、「わかんない」 ……そうですか。あのさーあの黄色い犬いるじゃん、あいつオスなんだよね、で、どーも黒い子を狙ってるというか、その、ねえ?と、推定年齢12歳の少女相手に俺が言いにくそうにすると少女は、「ああ、うん」と笑って分かったふうで。「でもこのへんブラブラ歩いてるだけだから大丈夫だよ」と言うので、ああそう…でも子犬ができると同学んちがいろいろタイヘンかもしんないからさ、と一応お伝えしておきました。

キツネ目のヤロウ。子供ばっかし狙いやがって。