真夜中の死闘

昨夜電脳中に、クロネコチンと宿敵・白鼻のケンカ声が響き渡りました。

3階の陽台から下を見ると、俺んちの庭でふたりが睨み合っていました。クロネコチンのほうが若くて小さくていつも不利なの。ここはクロネコチン(とりょー)の縄張りなのに白鼻めアンニャロ〜!!! 俺は光より速く1階まで下りて行って庭の電気をつけて窓から白鼻を威嚇しました。あっちいけシー!!!

しかし免疫がついてきたのか、以前は3階から手を叩いてシー!!! と言っただけで塀の向こうへ逃げて行った白鼻が、俺を見てひるむだけで、動かないのです!!! 窓をガタガタしてもムダ! なっめっやっがってえー!!! ふと見るとクロネコチンが消えていたので、よし、逃げたな、と思い、最終兵器のバカ犬を投入!!! りょー、ゴー!!!

もちろん脅しです。白鼻は俺がドアを開けた時点ですでに塀の上でした。クロネコチンの不在を確認してりょーを出すと、りょーは「がうがうぐああああ!!!」と地獄の番犬のような声を出して塀に取り付きました。グッジョブ!もう来ないでくれ白鼻!無駄な血は見たくないんだ!血っていうのはクロネコチンの血のことだ!勝負する前から結果見えてるから!オメーの勝ちだから!このシマだけはあきらめてくれ!マジで!頼むから!近所の目もあるから!

白鼻が消えたのに、りょーはいつまでも庭を嗅ぎまわっていました。きっと白鼻がスプレーでもしたんだろう… と思ったそのとき!!!

じゃっじゃっじゃっじゃああっしゃーーー!!!

ゴミ捨て用の手押し車の下5センチほどの隙間から、クロネコチンがべーゴマのように滑り出てきてぶったまげた!!! イカーン!!! と、ムンクの叫びみたいになって「りょー!!! ギャー!!! ノォー!!!」と叫ぶも、俺に言われるまでも無く、窮鼠猫を噛む状態の激怒ネコにりょーなどが手を出せるはずも無く、「うわっなにこれ?」とビビって上体が起きてしまったりょーを「しゃしゃしゃっしゃああー!!!」と威嚇しつつクロネコチンはワカシマヅばりの三角飛びで塀の上へ。決して後ろを見せずに、りょーを飛び越えるかのような見事な跳躍でした… りょーはまったく手を出せずに目を白黒させていた。俺も白黒した。いろんな意味で…

「ごめんなさいクロネコチン!!! オバチャンがちゃんと確認しなかったばっかりに!!!」必死に詫びると、クロネコチンは塀の上で、「ったくなんだよ冗談じゃねえよ」という顔で俺とりょーを見ていました。逃げなかった。悪気はなかったの、わかってくれてるといいんだけど。

俺のケアレスで助太刀がアダになってしまって申し訳ない。つーかマジで叫んでのど痛くなった。近所に筒抜けだよ。言い訳は決めてある → 「庭にネコが来るんです!犬が吠えるから追っ払ってるんです!犬がネコ食い殺したら気持ち悪いじゃないですか!ウチのはやりますよ!あっでもそれクロネコだからかかわらないほうがいいですよ!」 クロネコチンは俺が守る!!!

お詫びに、今日の夕飯に買って帰った刺身をおすそ分けしました。届け俺の愛。