舌がムラサキ

駅に行ったらチャウチャウがいた。黒いやつ。まだ若いの。

誰かが連れているんだろうと思って「ワンコ〜来来〜」と呼んだらホイホイ来た。しかし飼い主の姿はなく。呼ばれて来るなりニコニコで遊び狂うワンコの舌はムラサキで、手脚は雨水で濡れていて、でも被毛は乾いてさらさらしてて、そんなに臭くなかった。ガッツリ汚された。

健康そうだし困ってなさそうだったのでワンコにはバイバイして、待ち合わせをしていた子とランチに移動したんだけど、見るとワンコはまた別のひとの脚に恍惚の表情でマウンティングをしていた。そしてまた別のひとに声を掛けられるとターゲットを移していた。迷子なのかな。まだ自分の状況がわかっていないんだろうか。

実はウチの近所の金持ちマンションでも誰かがチャウチャウ飼いはじめたところで、メイドが散歩に連れているのを見ていたので、もしかしてしばらく見ていない間にあの子チャウチャウが大きくなって迷子になって今、駅に?と妄想が膨らみ。だってチャウチャウなんかそんなにいないじゃん。

帰りに金持ちマンションの守衛に事情を説明したら、「そのチャウチャウはここのチャウチャウとちゃうよ」とのことで一安心。……いや現にあのチャウチャウはまだ街をさまよっているかもしれないし、したら問題はまだ解決してないわけだけど。ダジャレ捻ってる場合じゃないけど。

しかしアレですな、駅前にチャウチャウがいる国。そういう国。どーにかしろ。