白ポメおやじ

いつも行く公園には白ポメおやじがいます。

ひとりかと思ったらふたりいたことが今日発覚。ひとりはビューティーペアと名づけた白ポメの飼い主で、愛犬はチャンピオン犬の血筋だとかで、さすがに素材がいいんですけど手入れもサイコーに良くて、いつ会ってもなにかの間違いじゃないかと思うほどウツクシイです。触るのが悪いくらい。この飼い主は毎日必ず夕方4時半に公園に来ます。そして必ずあたしに「最近日本に帰ったか」と訊きます。「いや、帰ってない」と答えると決まって悲しそうな顔をします。

今日初めて会った白ポメおやじ2号は、白髪混じりのロン毛をうしろで束ねていて、見るからに怪しかったから警戒しました。白ポメおやじ2号の白ポメは、リードをつけてなくて、これもやたらキレイで、そして驚くべきことに、人語を理解するの!!! 訓練が入ってるとかじゃなくて、白ポメおやじ2号が「こっちおいで」と言うとちゃんと来て、「ほら座って」と言えばさっと座り、誘惑に負けてりょーと遊ぼうとしても白ポメおやじ2号が「そっち行かないの。おいで」と一声発すればまたさっと足元に戻るの!

見ていたら、白ポメおやじ2号は、一見気難しそうなおやじなのですが、愛犬に対しては親バカ丸出しで、親バカのレベルを超えたバカっぷりで、他人の目などまったく気にしていないの。「こっちおいで」と言っても犬の反応が悪いと、「こっちだよ!アハハ!ホラホラ!こっちだじょ〜〜〜」と、マリオがダッシュするみたいなジェスチャーをするの、愛犬に。どうよ。まあでもそういうのを24時間、トェンティーフォーセブンやってると、犬は人語を理解するようになるのだろう。見てるほうはドン引きだけどな。

で、このおやじ、やべえ、とちょっと怯えた俺が去るタイミングを計り始めた頃、そこへちょーど白ポメおやじ1号とビューティーペアがやって来た。プロの手による日々のメンテで今日も光り輝かんばかりにウツクシイビューティーペアにも見劣りしない白ポメおやじ2号のワンコ。白ポメばっかり3匹… それもバカみたいにきれいなやつが、突然の暑気にハアハア言う姿も美しく、りょーなんか眼中ございませんとばかりにふわふわひらひらしていて俺は大変居心地が悪かったです。りょー、ハゲだし。顔つきからして違うね名犬中の名犬たちは。あたくしこれでも、キレイなワンコニャンコはワンニャンパラダイスで見慣れてますから、目が肥えてますのよ。

りょーがカエルの声に魅かれて水草に突入し始めたので白ポメおやじたちは先に帰って行って、あとから公園を出たら、白ポメおやじ2号が公園の入り口で、白ポメビューティーキットの入ったマイバッグを傍らに、自分の白ポメを膝に乗せて脚の毛をチョキチョキ、トリミングしているのが見えました…。やっぱあやしい…。ビューティーペアになにか触発されたのでしょうか。それとも単に日課なのかしら。こんなあやしいおやじが近所にいたとは知らなんだよ。

ウチのダーリンは最近忙しくてろくにりょーに触らないのでそのへん不満だったのですが、白ポメおやじたちのようなマニアってゆーのもそれはそれでいやだからまあいいか…と思いました。

それにしても公園で犬のトリミングするひとけっこーいるよね。家でやると毛が散っていやだからだろうけど。台湾ならではだね。