免許交付とインチキ写真撮影

免許もらってきました。で、問題の「写真」ですよ。

わざわざ事前に電話してきたくせに「なんの写真だ」って訊いてもはっきり言わないから、なんかやな予感はしてたんですよ。まあいっても「合格者たち!」みたいな、免許持ってニコニコ生徒記念写真くらいに考えてた あたしが甘かった。

教習所に着いた俺をみんなが「やっと来た!」 。ちゃんと時間決めたわけじゃないのになあと思う間もなくまくし立てるように「ありがとありがと!ホント5分で済むから!」そして別の小姐に「手の空いてる老師呼んで!」「カメラどこ?!電池は大丈夫?!」って指示が飛ぶの呆然と見ながら「すいません写真ってなんですか」とまっとうな質問をするも「うん、ちょっと今度『活動』で使うの!」 「活動ってなんの活動ですか」 「些細な活動よー!5分ですむから!」 「いや、写真なら若い子使えばいいじゃないですか」 「うんうんいいのいいの。ちょっと『上課』してもらうだけだから5分5分」 「マジで説明してくださいよ。なんですかなにするんですか」 「いやもうあなたでお願いしたんだって!ちょっと歳いってるくらいがちょうどいいの!

あれ、いまの失言? と思う間もなく結局質問にはなにひとつ答えないまま授業室に連れ込まれ、返す刀でカメラ係の小姐から「白板の前に立って!なんか書いて!」と怒鳴られる俺。教室には老師が大勢めんどくさそーに席についてます。 「いや、なんか書けって、なんなんですかコレ?!」 「いいからっ!五十音でも書いて!ごじゅうおん?! 「いやもう全然なんなのかわかんないんですけど!!!」と怒鳴られすぎてキレ気味になる俺に、老師と小姐が一丸となって「いいから書いて!」「はやく書いて!」「俺弁当食いたいから早く!」 「弁当?!ふざけんな説明しろ!!!」 俺もさすがに声でかくなりました。あいうえお殴り書きながら(でも書く俺。素直だから)。一番前の机に座っていた老板娘をにらみつけると、老板娘はあいうえおーとか最初はすっとぼけてましたけど、

「あのねーこれはねー、今度うちの公司の紹介みたいな活動があるんだけどー、そのときにー『うちの会社は日本語老師を招いて教官たちに日本語を教えています!日本人生徒さんも大歓迎!』ってやる紹介に使いたい写真なのー」

つまり俺はその日本語教師役をさせられていると。 「… でもここの老師も職員も、誰ひとり日本語なんてしゃべれないじゃないですか」 あははと笑う老板娘と老師陣。 「それインチキじゃないっすか」と俺が言い終わる前にその場の教習所関係者が一斉に立ち上がって「はい撮影終了お疲れ様でしたー!」「いやーお疲れさんありがと!」「MRTまで送るから!」「はい全員持ち場戻ってー!」と、再び嵐のようにまくしたてられ、文字通り事務所から掴み出されました。まあ教室写真はすごいロングだったから俺の顔がわかるような写真ではないだろうけれど。ひでーなあ。インチキの片棒かつがされたってことじゃん。ちゃんと話してくれてたら、白板には五十音なんかじゃなく、 「イニシャルD」「四輪ドリフト」「走り屋」「峠攻め」など気の利いたことを書けましたのに、不本意だわ。

全員が俺を騙そうとしていたあの空気、みんなにも体験してほしかったよ。超高い絵画を売りつけるのとか、あんなかんじなんだろーなーと思いました。台湾はホントに、しょーもない子悪党が多いなあ。