台湾流診察権ゲット法

魔界病院。朝9時。寝坊した。

オンライン掛号ができなかったので、初診カウンターに並んで「青光目専門医に診てほしいんですけど」と告げるも渡された紙の医者名は違う名前。ちぇっと思ってカウンターに引き返そうとしたときオットがやってきて、それには構うな、我々はターゲットの専門医の診察室で直接交渉だと言う。またわけのわからないことを… と思いつつふたりで眼科へ行ったよ。

たくさんある診察室の中から目指す名前を見つけたオットは迷いなくそのドアをノックして看護婦さんと交渉を開始。 うわ!身内だと思われたくない!と青くなる俺。ザッツ・台湾流? でもおかげで診察「権」をゲットできました。うそーん。と思った。

釈然としない気持ちのまま言われたとおり椅子に座って待っていると、専門医に長くかかっているおばさんが、我々に病院システムのいろはをレクチャーしてくれました。この専門医が台大医院と魔界医院をかけもちしていること、魔界医院での診察時間は火曜日の午前中だけだから、予約が取れなかったら台大医院のオンライン掛号をすれば確実に予約が取れること、今日だけでも実に39人が事前に予約をしていたこと、だから初診でもどうしても診てほしければオットがやったように診察室にゴリゴリ入っていくしかないこと、青光眼は一度なっちゃうと損なわれた視野は回復しないけど、点眼薬があって病院で買えてちゃんと効くことなどなど。おばさんは二代続いた青光眼の猛者なのでした。先輩!

検査が必要とのことで、あらゆるビックリドッキリ検査をしました。いちいちビックリドッキリしました。オットが付き添っているものだから、さぞ中国語が不自由だろうと思われたらしく、言ってもわからないだろうと俺相手には次に起こることを言ってくれないのです。こわかったです。身も心も弱り果てました。

そして御目通りが叶った専門医大先生様は、日本語世代でした。ラッキー。英語もしゃべれるよ。聞けば先生の下で診察をしていた別の女医さんたちもアメリカ帰りとかで英語べらっべらだそう。日本は海外帰りの医者はそんなに多くねえよなあ。同じ島国なのに違うもんですね。

で、話は戻って緑内障は、生活習慣とは関係ないんだそうです。ズバリ、遺伝だって。でも遺伝って言うと患者さんがショックを受けてしまうから、 「体質です」って言うんだって。へーえ一応気を遣ってくれてるんだートリビアと他人事のように感心したけどよく考えたらネタばらししてくれたと同時に俺にはフォローなしってことじゃん。やだなにそれ。しかし今日のところは「ズバリ緑内障です」とは告知されなかったけど、言うまでもない みたいな空気でした。ああっ!!!(煩悶)

いちげんさんお断りの先生に診てもらえてよかったけど、俺のシナリオでは、青光眼の権威が俺の持参した眼底写真を見てふっと笑って「これならまだだいじょうぶですよ。一応来年また検診に来てください」と、心配性だなあみたいな苦笑を浮かべて言う、とゆーものだったの。まさかこんなに当日に検査検査ラッシュラッシュになるとはなあ。しかも先生、検査結果はやく見たいみたいだったし。急ぐのかなあ… 急がないと投薬が間に合わないとかだったりして…。あはは…。

よーし目が見えるうちに精密画とか描いてやる。うそ言ってみただけ。