ナワバリ

工人が作業をしているが、むーがここんとこずっと出先昼寝で帰宅後は夜まで寝てくれなくて、家事が滞るから今日はなんとしてでも家で!午後一番で!3時間がっちり!寝ていただくため意地で在宅を決意。
どっか近所でむーが疲れる公園でもないもんか…とぼんやり記憶をたどったら、思い出した、自宅から山方向へ5分程度のところに、川沿いのショボ公園があったことを。小さい橋を渡る、ひっそり・鬱蒼・さびしい印象だけどこのへん唯一の遊具付き公園だから無人ということはないはずと、出向きました。

 どーん

いいんじゃない?!なんか印象よりイイ!レンガな赤の小道がいいかんじに舗装&整備されてて、ラバーマットの敷き詰められた比較的新しげな遊具エリアを大木が囲み高いところから木陰を提供。藤棚みたいな小粋な休憩エリアに子守を押し付けられた老人が無気力に座っていて、その奥は昔からこの地域に住むの住民エリア。すぐそこに民家なら安心。木のかんじが非常に俺好みで興奮。

 きれいだし これ大好きで…前世チベット人

今後も来ようと決めた俺は無愛想げなババアにも笑顔で挨拶。不審者が出没でもしたら周囲の住民にお世話になる気まんまんですから。ババアたちは國語が微妙で、台湾語も発音がどこか微妙で話があまり通じない。しばらくすると公園のそばのいちばん立派な家がソーセージ屋台の夫婦の住居であることが判明。

おかみさん曰く、この公園はかつては木がもうこれでもかっと生えてて遊具はあるけどクルマの出入りOK、家庭菜園OK、好きに使って全然OKな付近住民密着型公園であったという。それが急に政府の手入れに遭ってジャマな木は切られ、小洒落た舗装をされてクルマは入れなくなり、自由を奪われたのだという。その背景にはかつてこの地域を20年に渡って治めてきたおかみさんのお父さんの権力失墜が関係しているのであろう。←ということをおばさんのクイックプレゼンで知る。なるほど公園が以前の記憶と印象がぜんぜんちがうわけだ。政府超GJと心のなかでガッツポーズをキメながら口では「あいよう〜政府はそういうもんですよね」と同情。

おかみさんによるババアたちへの俺の紹介が済んだら見たことのあるババアが寄ってきた。そのババアは冬になるとコンビニの前の歩道を占拠する新竹のみかん売りババアの一味で、雨の日にはでっかいパラソルを広げる傍若無人ジャマババアなのでシーズン中は俺は常に能面の顔で通り過ぎていたのだ。ジャマなだけなら目をつぶるけどこのババアは近所のおばさんに俺がババアからみかんを買わないからって「あの日本人は果物を食べない。良くないと意味のわからないダメ出しまでしてそれがオットにまで伝わるに至ってどうでもいいけど俺はちょっとむっとしていたのだ。台湾のみかん、たいしてうまくないじゃん!剥きにくいし大味だし種あるしおいしいとおもったこと一度もないよ。だから買わねえんだよ!なんて言えないじゃん。

話が逸れたがそのババアが来てしばらくチャットしてから「あれっあなた、毎日犬を連れているひと?」しらじらしい…と思ったら、眼が悪いから犬連れじゃない俺を認識できなかったと。「おばあさんはここに住んでるひと?みかんのひとは毎日新竹からここまで来て売ってるって聞いてたから近所じゃないと思ってた」するとババアは、売り子ババアは新竹在住でババアの知り合いで、このへんは客家人が多いのだと衝撃の事実を告げたのであった。初耳でござるよ!

ソーセージのおかみさんも、うち以外はこのへんはみんな客家人だって言うじゃないか。おどろきだ。なるほど言葉がよくわからないわけだ。そんでさらに思い当たるフシが。この公園に来るとき、隣人(善人)に会って公園行ってくるーって言ったら「うちのおばあちゃんが孫連れて行ってるよ」って言われて、じゃあいっしょに遊ぼーと思ったらいなかったんだ。祖母孫コンビは果たして、一つ手前の、遊具のない通り道みたいな公園にいた。

これは… アレだ。テリトリー問題だ。

隣人(善人)はばりばりの本省人だから、客家の連中がうじゃうじゃいる公園には行きたくないんだろう。あたしだったら行きたくないもんな。

いやー外国人でよかったとこんなことで思うとは意外でした。身軽だよね。