アシダカグモ外伝

またアシダカグモの話で恐縮です。
木曜日は朝からお手伝いさんが掃除をしに来てくれる日で、むーがちょろちょろするとジャマなので科学館で時間潰してランチして帰ったら、車庫が濡れていた。外はやらない契約なのにこれいかにと思いつつ入ったら、お手伝いのおばさんが浮かない顔をして俺に言ったのだ。

「犬のゴハンマットをどかしたら赤ちゃんグモがわんさか出てきた…すごい恐怖だった…マットは一応洗ったけどもう買い替えなさい」

おばさんはリングネームをつけるとしたら「コング」ってかんじの南海キャンディーズしずちゃんジャガー横田を足して2で割ったような方で巨大ムカデが出たときも助けてくれたので赤ちゃんグモに恐怖とか言うなんて俺は心底驚き、そうとは知らずにクモに遭遇させてしまって申し訳なく、

「あっ、すいません、先週からすっげー出てて。もうだいぶ減ったんで言い忘れちゃいました…靴箱ん中で生まれちゃったんですよ。言っとけばよかったですね」
「マジで」
「ええでもかなり殺ったんで相当減りましたよ」
「………(引いてる)」

おばさんのドン引き具合に焦りを感じ(なぜ)「でもあのクモはゴキブリ食いますから。いいクモなんすよ。子ネズミくらいなら食っちゃうらしいし。でっかくて見た目アレですけど咬まないし毒もないんですよ」とこの期に及んでクモを擁護する俺におばさんはそうなの?と興味を示すも「でも夜中に出てくるわよ。アレは夜中に出てきて寝てるところにやってくるじゃない」。寝てるところ限定とは極端な…と思いつつ「普段隠れてる分にはいいと思いますけどねー寝てる間にゴキブリ食ってくれたら御の字っすよ」とのんきに言うと、おばさんは恐ろしい話を始めたのだ…

「以前深夜、寝室にアレが出たんだ。壁伝いにぞろぞろと、数匹見た。そして数日後、家中が赤ちゃんグモでいっぱいになったのだ…

ぎゃああああああああああ

それは怖い!それはいやだわ〜。超想像しちまった。そして同情した。そんな立場じゃないけど笑。おばさんはマジで恐怖体験を語っていたのだが、俺の中国語レベルを考慮してか、始終「蜘蛛寶寶」と言うのがかわいらしく、緊迫感を削ぐのであった。

いやーしかしおばさんをそこまで恐怖せしめたアシダカグモ。我が家のベビーブームは一見収束へと向かっているかのように見えるが、実はほんのはじまりに過ぎないのかもしれなくなくなくなーい?(やけくそ)