フランキー返品

野良犬時代に悪漢に虐待を受け頭蓋骨骨折でATにやってきた憂いの茶色犬・フランキー(リンク先画像閲覧ちょっと注意。傷口注意)が、3週間のお試し期間を経て返品されました。お試しされた方(キモ系痩ケトウ)がうちの近所の山奥に住んでて遠くて事務所まで返しにいけないとねぶたいことを仰るのでまず近所であるうちで預かり、後にSがうちにクルマで迎えに来るという段取りに。返品の常で、いつにしましょう?と言うとみなさん即答で今日、とお答えになります。みなさんソッコーで手放しにいらっしゃいますよ。一秒でもはやくこの重荷から開放されたいとばかりにね。

待ち合わせのコンビニでフランキーを手放す原因をお聞きしましたら「フランキーを引き取ってから近所の野良犬を引き取った。その犬と相性が悪い。ていうか僕は犬は1匹でじゅうぶん」 …じゃーなんでフランキーつれてった。発言する前に考えてからしゃべれと呆れました。そんな阿呆でもフランキーは別れるとき「えっボクはあのひとといっしょだよ…」と不安がり、あたしと歩き出すことを渋り!不憫なやつ!おまえはお気に召さなくて捨てられたんだよ! 「だいじょうぶよフランキー、おばちゃんちたのしいよー!」ケトウに聞こえよがしに励ますとフランキーはあたしを見て「あ、このひと知ってるかも…」という顔になり、振り返りながらも一緒に歩いてくれました。かしこいっ!あんなダサいケトウのことは忘れちまいな!

お試しがうまくいかないのは仕方ない場合とそうでない場合があると思う。明らかに人間のミス(覚悟が足りないとか理解が足りないとか)である場合でも、しばらく一緒に暮らした犬はそんな事情知らねーから「ああこれからかはここの群れで暮らすんだな」と思うわけ。なのに返品ですよ。晴れ晴れと帰ろうとする元・ほぼ・飼い主に犬は驚き、「えっどこ行くの?ボクも一緒よね?」ってなる。それ見ると、頭では返品は仕方がないとわかっていても、はらわたが煮えくり返るよこのヤロウ。そんな思いさせやがって。ぬか喜びさせやがって。そうやって不安がる犬を気の毒そうに見る元・ほぼ・飼い主の心中など、想像もしたくないあたしの気持ち、おわかりになります?

ほかの犬とうまくいかなかったと言われたわりにフランキーは、小花と上手に挨拶できたし、いきなり現れた見知らぬ犬に牙を剥いて「あんた誰よ…」と凄むりょーのことも華麗に無視したし、そのあと家にいた間じゅうしつこく嗅ぎ回るりょーを空気のように無視し続け、揉めることなくすごしてくれました。玄関を閉めたら怖がるかなと、庭へも出られるようにしてあげたけど、あたしのそばになにげにとどまって、寂しがって泣くこともなく家具におしっこするでもなく、おとなしくいい子だったのに。こんな世渡り上手そういねーよ!どんな飼い方してたのか知る由もないけど、なんかすっごい臭くなってたしさー。拭いても拭いても茶色かった。1ヶ月いっしょにいたんだから風呂くらい入れてやれや!そんなずさんな飼い方の家の子になんなくてよかったよっ!

これがフランキーの厄落としになったことを祈ります。彼のように悲惨な目に遭った子は、それを補ってお釣りの利子で一生困らず遊んで暮らせるくらい幸せにならないといけない。