クロネコチン様、その知られざる世界

病んで寝ていたとき、クロネコチンの声がやたら近くで聞こえたのです。ああ2階のベランダに来ているのだなとぼんやり思いつつ、その声がのんきなかんじだったので俺が出ていくほどではないと判断して寝たところ、翌朝オットから衝撃の事実を告げられました。
前夜、ノバがまた例によって2階のベランダに面した網戸の戸を開けやがって、オットが戸締りをして寝ようとその網戸へ接近したときには開いており、ノバがベランダにいたらしい。ここまではいい。問題はノバ。ノバとオットは産後俺が不在だった一瞬をのぞいて犬猿の仲(猫と豚なのに犬猿の仲とはこれいかに)。網戸は閉めたいが、閉めに行ったらノバはきっとオットを恐れて逃げ出してしまうだろう。その想像がオットの足を止めた。そのとき彼は見たのだ、もう1匹の黒い影を。なんとクロネコチン様もそこにいたのだ。オットはそのときのことをこう語った。

「カサ(オットはノバをこう呼ぶ)と黒猫(ヘイマオ。オットはクロネコチン様をこう呼ぶ)が2階のベランダにいた。網戸が開いてて、ふたりで出たり入ったりしていた。黒猫がボクを見てニャーニャー言った。近づいたらカサも一緒に逃げるだろうし、窓閉めたら帰って来られなくなるだろうし、しょうがないから昨夜はその窓は開けっぱにして寝た」

「なにそれ?!ノバとクロネコチン、仲良くしてたの?!」と驚く俺にオットは平然と「うん。遊んでるかんじだった。ニャンニャン言って並んでた」彼は知らないのだ、それがどれほどの衝撃映像かってことを!!! 素人め!!! 俺を呼ぶという選択肢がなかったことが悔やまれるが、まさかあののんきなクロネコチン様の声が、ノバといっしょにフラフラ家を出たり入ったりしていたときの声だったなんて…。ふたり仲いいんだ?知らなかったよ!かなりショック!

考えてみたらクロネコチンとノバはもう何年もガラスのあっちとこっちで毎日顔つきあわせてるんだもんなあ。さすがのクロネコチン様もノバのテリトリーでむやみにノバをボコったりはしないんだなあと、予想もしなかった何年目かの新事実に、なんかいろいろ考え込んだ。ネコドアをつけたらクロネコチン様が自由に出入りできるなあとかね…。夢だったクロネコチン家猫化計画が現実になるかもだよ…。でもそれだとノバも自由に出入りしちゃうんだよね…。それはちょっとね…。でもクロネコチン様ももうシニアだからねえ…このままってわけにもね…。

クロネコチン様は寒い日は朝からクルマの上に居座ってニャーニャーおっしゃいます。猫語検定1級の俺には彼女がなんておっしゃっておられるかがわかります。冬の風物詩・クロネコハウスをご所望なのです。すいませんまだ作ってません。俺はそっと目を伏せるのです。

※冬の風物詩といえば。先日ニトリでふかふかあったか敷き布団敷きを買ったんですけどこれ絶対ネコ様たち気に入ると思った。めちゃ安いから買いなよ猫屋敷Cさんってメールすんのずっと忘れてた。店舗にはこれ系の敷き布団敷きが何種類か出てますがサイトで見れるのはこれです。丸めて置いとくだけでネコホイホイになるんじゃね?一冬使って捨てても惜しくない金額だし。