十イ分

なんか最近オットが週末になると、むーにかこつけて鉄道関係の場所に行きたがるんだ。






場所は十イ分。台北からクルマで1時間。山道がキツいけど、思ったより近かった。なんかショボい滝を見せる有料の公園?があった。これ滝?人口じゃねーのなどと失礼なことを口走るほどのショボさであった。まあ水はきれいだったけどさ、ウチ家の裏、水がきれいな川だからあんまり水辺に感動なくてさ…。ショボい観光客で賑わっていました。香港人とか韓国人も多かった。通路の脇の線路にローカル線が走るのが見ものですが、30分に1本くらいらしいんで、見逃すとショボく時間をつぶすハメになりますのでご注意ください。

ネコスポットで有名な侯硐からほど近く、最初はこの侯硐から電車に乗って十イ分で下車して十イ分老街を冷やかして、と考えていたのですがそうしなくてよかった。十イ分駅、激混みでした。電車が止まったはいいけど下車する客と乗車する客が全然さばけず膠着状態になって駅長がイライラしながらアナウンスをしていた。プラットフォームが小さい&狭すぎるのだ。ハイシーズンの週末のご利用は特にお気をつけ下さい。しかも楽しみに待っていた電車自体はへんなデザインが施されていて汚らしく、旅情ゼロ。ああいうのホントやめてほしいわ…。あと老街もたいして見るべきものはありません。あ、1年中天燈飛ばせます。線路の上から飛ばすのを写真に収めるのがウリです。あとなんかたけのこ?が名産みたいだった。

ネコで有名な場所の近くなんだけどネコは1匹もおらず、いい犬たちとの出会いがありました。滝のところではミョーにがっちりした雑種がふてぶてしかった。チケットブースの出入口を塞いで寝ていてオバサンに「あんたがそこにいたらお客さんが通れないでしょ!」とハエたたきみたいな棒でペンペン叩かれてもめんどくさそうに腹を出して「まいったなオバサンなんか言ってんな…」と薄く目を開けているだけの犬とか、その関係者の茶トラぶちとか。ずんぐりむっくりしていて無口で、若いのかトシなのかエイジレスであった。

老街では子犬がいたから呼んだら超走ってきた。フワフワの毛でカワイイ〜と思ってたらよく見たらびしょ濡れだった。なんだキミ、濡れてんな、こっち来んなと手のひらを返す俺。むーも「ワンワンぬれてるね…」と手を引っ込めていた。当のワンワンは子犬なのに分をわきまえた賢い子で、呼ばれて走ってくるときも卑屈に身を揉みながら直線ではなく少しだけ迂回して駆け寄り、我々の足元でオスワリをしながら「わたくしのようなものにお声がけいただき感激です〜!!!」とクネクネしていた。あんだけ喜んでて跳びかからないって利口だ。すでに過去に痛い目に遭っているんだろう。観光地の犬はいろいろでおもしろい。

民家の車庫でぐったり寝ていた若い黒犬2匹に口笛吹いたら急に元気になってすっ飛んできてウケた。そこんちの子が慌てて止めに来て謝ってくれた。この犬らもいい子たちだった。子供たちが犬の名前を教えてくれた。観光客慣れしたいい子たちであった。忘れないで、そのまっさらな心…