虎虎ちゃんその後

以前ご紹介した美猫・虎虎ちゃんは、実は今も入院生活を送ってる。
うちで預かるはずだったんだけど体調を崩して入院して話が流れ、先々週には安楽死させるということになってた。でもそのたびに持ち直す虎虎ちゃんに、主治医の先生も最終的な判断を延ばし延ばしにしていた。病院に会いに行こうかと迷いながら、あたしを覚えていなくて恐がらせるのも悪いと思ってずっと行けなかった。安楽死の話まで出ているなら、猫エイズの末期の状態だろうと、想像ができて、そんな虎虎ちゃんをどんな顔で見たらいいかわかんないのもあった。会ったあとまともに運転して帰れるか不安もあった。でも今日行ってきました。

虎虎ちゃんは変わり果てた姿になってました。でも今日明日死ぬかんじじゃなかった。まだ生きてた。甘えたし、あたしのひざから自分のケージに戻ってごはんを食べようと、ジャンプしようとさえした。でも昨日はもうヨロヨロだったそうだ。これは先生も判断できないわ…と思った。顔中つぶれた潰瘍だらけだろうと思ったけど、潰瘍は口の周りと耳のふちだけで、顔をグリグリ押し付けてきて甘えたし、自力でドライフードが食べられていた。でももう誰も恐れない、ほとんど夢のなかのような表情は、こねさんやばにさんの最期と同じで、半分あっちの世界に行ってるようで、ああもう長くないなとも思った。

先生は3日待つことにしたって言ってた。虎虎はもう治らない病気で、合併症も出てその症状を軽くすることが不可能で、飼い主がいるわけでもない子だから、これ以上がんばらせるよりも、「穏やかに送ってあげる」ほうがいいんじゃないか、それまですこしでも楽しく過ごさせてあげたい、それがみんなの願いで、そこがむずかしい。3日後もいまの「調子のいい虎虎」の状態が保てたら、ATに返すらしい。だったらうちに連れて帰りたいです、保温のためのライトをひとつ購入したいのでひとつ注文してくれないかと頼んだら、ライトは病院のを貸すよと言ってくれた。論外に、どうせそう長いことないだろうから、という空気があって、なんだかお互い黙ってしまった。わかってるんですお互いに。

ずっと言えなかったけどオットに虎虎ちゃんのことを話して、すぐ死ぬと思うけどうちに連れて帰りたいと言ったら「君が適任だ」と賛成してくれた。意外だった。家の中で、縁もゆかりもない動物に死なれるとか、嫌がると思ってたから。

グダグダランチのときに「病気が原因で、預かる予定だったネコが来なくなったことをむーにうまく伝える自信がない」とママさんたちに言ったところ、「それはちゃんと言うべき」「もう説明すれば分かる」と言われて、その言葉に後押しされた。それまで虎虎のことから逃げてた。安楽死って聞いたときから勝手に軽いペットロス状態だった。もう死んじゃうかわいそうな子にこれ以上関わって悲しい思いをしたくないと思ってた。そんなくっだらない自己防衛でうじうじしてるより、もう死んじゃう虎虎にちょっとでも楽しいうれしい思いさせに行ったらいいのにばっかじゃねーの俺!!!!!!